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  1. 小野坂貴之

年末の抱負、なんだかな。

夜、ベランダに出てタバコを吸う。まだ聖夜の残りらしきイルミネーションがかけられた近隣住宅を眺め、「ああクリスマスだったのね」と考える。ひさびさにコートを走り回り、ひどく腰痛になり静かにしていた四十路にとっては、なんだか遠い日の出来事のようである。

ベランダの冬の寒さの中、ふと思い返してみると、新中野のこのハイツに住んでもう7年近く経っている気がする。そりゃそうだ。お向かいさんの生まれたばかりの赤ん坊が、ふとすると「行きたくない、やだー!」と泣きじゃくる幼児になり(目覚まし代わり)、またふとすると元気に幼稚園へと通う男の子になっていたのだ。時間はほんとにあっという間だ。あの子が大きくなっている間、私は何をしていたんだろう、と反省してしまうくらいに。「そろそろ小学生くらいか?」と思った矢先のついこの間、手狭になったのか、一家はここから引越しを遂げた。どうか幸あれ。

さて、来年に向けて、春先までに脚本を書こう。できれば二本。書き溜めておくことに損はない。「うん。できる。君はできる。」と言い聞かせてみる。

「光陰矢の如し」、まさにそれを心に刻まされながら、この年末に抱負を立てた。