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  1. 小野坂貴之

大三国志

ああ。ここ最近、家のソファにいるときもベットにいるときも、はたまた通勤時や休憩時間もすべて、三国志漬けである。横山光輝の描いた三国志漬けである。

初めてこの漫画を手にしたのはもうかれこれ30数年も前のことか。まだ小学生だったある日、子供部屋にふと置かれていた大きな紙袋の中に、64巻セットのこの漫画が詰まっていたのである。たぶん、オトンが置いていったのだろう。

そのとき、厳しい玄徳の母に怯え、桃園の誓いに感動し、蜀・五虎将軍へ激しく肩入れした。そう、三国志に嵌ったのである。

少し大きくなった学生の頃は、当時8インチフロッピーだったPCゲームの三国志を、テスト期間なのに勉強投げ出してやり続けた。赤壁の戦いを経て、どうしても蜀の主君として天下統一を成し遂げたかったのである。せめてゲームの中では、劉備や諸葛亮の野望を叶えたかったのだ。(テストという赤壁の戦いに敗れ、敗軍の将として迷走し続けたのはまた別のお話)

機会あって、今回再び横山光輝の三国志と相まみえた。随分大人になった今改めて読んでみると、違った物語が浮かんできて相当に面白い。どのくらい面白いかというと、実生活で「おいたわしや」「そうでござろう?」などとうっかり出てしまいそうに身も心も侵食されるくらいである。

ああ。今宵もまた読みふけるのであろう。ああ、第三国志で今晩も廃人となる。