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  1. 小野坂貴之

図書室の戦い・春

週末に行っているバレーボールの体育館予約の調整会議のため、先日豊島区の小学校へ向かう。着いてから少し迷ってると60歳くらいのオバちゃんに、図書室で開催されることを知る。

オバちゃんについて図書室に入った。まだ我々だけであった。見回すと、四方の壁に所狭しと本が並んでいる。絵本から冊子付き科学本、そして字ばっかりの本。幼い一年生から大人への兆しのある六年生まで、ここでゆっくりと階段を上っていくのだろう。

「図書室ってこんなに狭かったっけ?」とふと感じる。当時は読み切れないほどの本に押しつぶされそうなほど囲まれていた印象があったのだが、ふむ、大きくなってしまったということなのだろう(もう十分にな)。

そうこうしているうちにオバちゃんがどんどん集まってくる。オッちゃんはワシ一人だ。予約表に書き込み、しばし待機。競合のいない土曜夜の枠だったのでそのままOK。余裕だ。ところが目の前のオバハンから「ちょっと待った」の声がかかる。いかにも「今日は戦いに来たぞ」という感じのぶっきらぼうなメガネオバハン。風雲急を告げる。

「この時間、こういう取り方すると他が取りにくい」
「この間まで月一回だったのに最近安定して二回取っている」

難癖だ。難癖である。もう難癖にしか聞こえない。大人気であろう日曜昼枠でオバちゃん戦争が勃発だ。妥協案も受け入れず、「どうしたいの?」の質問にもまともな答えが返ってこない。毎月こんな争いをしとるんだろうか?マジか?

幸いにも平和な土曜夜枠だったため、余計な口出しを我慢しながら図書室での戦いを横目に校舎から退散。平和だと思っていた休日の、頭の片隅に広がった暗雲。「PTAって大変やなぁ」って思いながら駅前のカツ丼屋で旨い塩豚カツ丼を食い帰途に着いたのは言うまでもない。