大手町へと向かうため自宅を出発。外に出る。雨の降った形跡。曇り空。どうやら今日は気温23℃になるらしい。ダウンジャケットはいらないだろう。赤いセーターで向かうことにする。
念のため巻いたマフラー、首元が若干暑い。汗ばんでくる。「少しずつ春が来ちゃうんだろうなぁ」と考える。春は少し感慨深いというか、年に一度、自分の年を重ねる時期だから、ふむ、と一呼吸置いてしまうんだろう。
赤いセーター、20年ほど前、実家香川で買ったものである。思いの外型崩れもせず、まだ私の手元に居てくれる。(赤すぎるのか、とんがらしと言われるがな)
変わらないセーターと「どうせ変わるなら軽やかに緩やかに楽しんで」なんてお達者倶楽部のように思っている自分との、20年を経たギャップにハッとする。ハッとしてみる。
思えば遠くへ来たもんだ。