vol.2 「災難」〜逃げるひと〜

あなたは何から逃げますか・・・。
あなたは何を追いかけますか・・・。

(冒頭のあらすじ・みどころ)
 夢破れ自殺を決意したミュージカル女優・岡野千代子。
 狭い安アパートの一室でいそいそと自殺準備中の彼女のもとへ、銀行強盗失敗の男・立花実が包丁片手に、ドアを蹴破り飛び込んでくる。
 風雲急を告げ、女優自殺寸前の安アパートの一室が、ヘリが飛び交い警察が完全包囲する銀行強盗犯立て篭り事件現場へと一変する。

 自殺準備中のミュージカル女優と銀行強盗失敗男の、切羽詰まった二つの人生が仕方なくも交錯を始める。

 自殺(寸前)事故物件で強盗犯逃亡先の狭い安アパートの中で、人生どん詰まりコンビは果たして、自ら進み出せるキッカケを見つけることができるのだろうか?
(第二回公演 二人芝居 災難〜逃げるひと〜 リーフレット記事より全抜粋)
 ごあいさつ
 
 私はいいだしっぺ。

 昨年の夏、ひさびさに芝居がしたいとフト思い立った。まずは脚本家探しから。そこで連絡を取ったのが、小野坂貴之だった。「ひさしぶり」なんて言いながら、私は「二人芝居」なるものを提案した。…だって、お金も無いし、キャスト集めも面倒だし、…あら、なんて逃げ腰だった私。
 試行錯誤を繰り返し、第一回公演「二人芝居 配達人〜軌跡のとき〜」は本番の日を迎えた。…確かに焦りもあった。キャスト二人、スタッフ二人でスタートしたFunnyFace。「本当にできるの?」…でも幕は上がり、涙と笑いと苦しみの中、無事幕は下りた。

 「FunnyFace」の名前は私が言い出した。でも私は「座長」ではない。「演出家」なんて大それたものでもない。そう…、私は「いいだしっぺ」なのだ。

 そして今日、また幕は上がる。
 いつの間にか仲間が増え、いいだしっぺは少し影を潜めている。と同時に私の幸せな時間は増えていった。いつか別れのときが来るかもしれない。哀しいことも起きるかもしれない。
 けれど今、私の背中を押してくれている仲間達に感謝している。今日ご来場くださったお客様にも、この幸せな感覚を持ち帰っていただきたい。
 ほんの少しの勇気と、暖かい気持ちを。

 あっという間に迎えた第二回公演。どうぞ最後まで見守ってください。あなたの心に、暖かいものを残せますように。

いいだしっぺ 徳増克美(現:久保克美)
 本番の日、僕はきっと舞台袖で、静かに…、いえ、もしかしたら緊張気味であたふたしながら、迫り来る時間と戦っていることでしょう。そしていつものことながら、出番寸前になって「セリフが飛んだ〜、白い〜」なんて、慌てるのです。まぁ、毎度のことですから…。

 ここからはきっと、後で読んだ方がいいかもしれません。…知りませんよ、後悔しても。

 夢を追いかける。がむしゃらに、脇目も振らず自分のことをただ信じて、純粋に。…でも立ち止まってしまうこともある。立ち止まって周りを見たとき、自分の小ささに、才能の無さに気づいてしまう。…夢から逃げてしまう。
 トントン拍子なんて、ごく一部の選ばれた人間だけなのだ。
 選ばれなかったからあきらめる…。「いや、そうではない」と僕は思う。ここからは自分で選択するのだ。「続けたい」と願うかどうか、心の奥に問い掛ける。…「続けたい」と返事があれば、さぁまた追いかけよう、夢を!!

 もちろん、僕にも夢があります。大きな大きな不安と共に。でも、追いかけるぞ〜!!んっ?僕の夢?それは…、あなたに会ったときにお話ししましょう。

 本日は、「第二回公演 二人芝居 災難〜逃げるひと〜」にご来場いただき、ありがとうございます。まだまだちっちゃな僕達ですが、今日は精一杯やらせていただきます。…さぁ、もうすぐです。

脚本家 小野坂貴之
date
2011/11/11 sat
1st14:00 2nd17:00 3rd20:00

script
Takayuki Onosaka

director
FunnyFace

cast
岡野千代子/Katsumi Tokumasu
立花 実/Takayuki Onosaka

staff
音響・照明/Toshihiko Takechi
制作/Masato Inoue

special thanks
Manato Kubo
Rie Tomita
Hiromitsu Miyatake
Tomomi Mitou

Dear Friends
(以上、リーフレット記事より全抜粋)
舞台挿入歌:ハルカナル
 
ハルカナル
(作詞作曲:小野坂貴之 メロディ:小野坂貴之 ハーモニー:徳増克美)

遠く、ただ遠く

夢を紡いでた 未完成の地図 空にかざし
晴れた日も 雨の日も 透けて見える心の青さ

何も描かれず 何者にも染められず
両手広げて 届け

街で一番高い丘に登り 空の彼方見つめ
やがて昇る太陽を背にして僕は歩きだす
まっすぐに走るあの飛行機雲のように

無敵の僕がいる どんな困難にも打ち勝つ戦士
無敵の僕がいる 何も迷わずに走り続けていく勇者

そういえば、の裏話。
作詞作曲したはいいが、音符を書けない私、小野坂貴之の脳裏に旋律が閃いたときが大変でした。徳増克美(現:久保)やら、制作の井上雅登やら、武智俊彦や白石義人の音響照明陣まで、誰から構わず捕まえて、思いついた旋律の一部一部が消えてしまわぬように「ふーん♪ふんふん♪こんな感じええやろ、ええやろ、頼むけん覚えといて」と絡みまくるのです。最後は当時の最新MD録音機に「一通り自分で歌え」と指示され吹き込み(あ、結局自分に返ってきたんだ…)、譜面に起こしていただきました。
今、「ハルカナル」が音として残ってるのは我らがスーパー制作・井上雅登のおかげ。「CD作って当日売るで」との制作大号令により、キャスト二人は戦々恐々としながら走りまくりました。
舞台稽古の最中、小野坂が一番怖かったのは、「ハルカナル」の生歌シーン。武智俊彦・白石義人両名による指導に頭真っ白になったのです。「何度やってもテンポがいろいろずれとる」と云われ、「仕方ない。足でこっそりリズムを取れ」「つま先で取るな、踵で取れ、カッコ悪い」と。今となっては思い出話ですが、「歌なし脚本に書き直しちゃおうか」とこっそり悩んだ瞬間でもありました(笑)

(小野坂貴之 2015/8/14 記)